塾の正しい選び方

~成績が伸びる塾はどうやって選べばよいか~

 

ポイント①:進学実績は、「人数」ではなく「割合」でみる

多くの親御さんが塾選びの参考に考えるのが、進学実績ですが、この時に注意しなければいけないのは、多くのかたが、人数で見ていることによって誤った塾選びをしてしまうことです。たとえば、下の2つの塾、どちらが、進学実績が良いと言えるでしょうか?

A:100人の生徒が偏差値60台の高校に合格した

B:10人の生徒が偏差値60台の高校に合格した

多くのかたは、Aと答えるでしょう。もし、2つの塾の生徒の総数が同じなら、Aで正解でしょう。しかし、もし、Aの塾には1000人の生徒が通っていて、Bの塾には50人の生徒が通っていたとしたら、話は変わりますよね?Aの塾では、1割(10人に1人)しか偏差値60に達していないのに対し、Bの塾では2割(5人に1人)が達していることになります。Bの塾の方がAより2倍の力があるのに、塾生の総数を見ないと、Aの方が10倍の力があるように見えてしまうのです。こう言われれば、当たり前の話で、進学実績の良さは、人数ではなく割合で見なければいけない訳です。ここは、当たり前にもかかわらず、かなり多くの方がおかしてしまう間違いです。広告などで、進学実績が人数でしか表示されていなかったら、塾生の総数から、割合を算出して比較してみると塾の本当の実力が分かります。

 

ポイント②:「進学実績」より、「伸び」を見る

ではポイント①に従って、進学実績を見ることを考えてみます。実はポイント①に注意するだけでは、まだ、間違いをおかしてしまう問題があります。同様に、また質問です。下の2つの塾、どちらが、成績を伸ばせる塾と言えるでしょうか。

A:5割の生徒が偏差値60台の高校に合格した

B:3割の生徒が偏差値60台の高校に合格した

やはり、多くのかたはAと答えますね。もし、2つの塾の生徒の入塾時の学力が同じなら、Aで正解ですね。しかし、もし、Aの塾では入塾時の学力が全員偏差値60台だったのに対して、Bの塾では全員50台だったとしたら、どうでしょうか?Aの塾では、学力を全く伸ばせていないのに対して、Bの塾では3割の生徒の偏差値を大きく伸ばしています。Bの塾のほうが、はるかに伸ばす力があるのに、成績の伸びを見ないで進学実績だけで見るために、Aの方が良く思えてしまうのです。塾の中には、もとから勉強の得意な成績の良い生徒が集まるため、塾に伸ばす力がなくても進学実績が良く見える塾もあります。こうした数字のトリックにひっかからないようにするためには、進学実績を見るのではなく、成績がどのくらい伸びたかを見る必要がある訳です。もちろん、その時も、その伸びた生徒を、人数ではなく、割合で見なければならないのは、ポイント①から、お分かりかと思います。

 

まとめ

したがって、広告などを見る際は、偏差値や点数を「何割くらいの生徒」が「どのくらい伸ばしているのか」、を見ることが必要です。残念ながら、この点をきちんと書いている塾は少ないです。進学実績だけ書いているけど、どのくらい成績を伸ばしたのかは書いていない塾、成績の伸びは書いてあるけど、全体に占める割合が書いていない塾が結構あります。ひどい場合には、数百人、数千人も生徒がいながら、成績が特に伸びた数人の例しかあげずに、大多数の生徒がそのように伸びるかのようなイメージを与える広告も残念なことですが見受けられます。広告に書かれていないときは、問い合わせてみて、「何割の生徒がどのくらい伸びているか」をしっかり確認して情報を集めましょう。それでも教えてくれない塾は、伸びない塾と考えて間違いないでしょう。集めた情報を比較して、しっかり伸ばしている塾を選びましょう。その中から、大人数の塾、少人数の塾、個別の塾など、お子様の性格にあうのはどこかといったことや、通塾の利便性や、評判などを考慮しながら選んでいけば、間違いのない塾選びができるかと思います。塾選びは、非常に大切です。しっかり、成績を伸ばせる塾を選ぶのが、お子様の学力向上の第一歩です。